冊子「わたしの穴 美術の穴」

2016年8月出版

石井友人

榎倉冴香

地主麻衣子

高石晃

桝田倫広

 

 

 

冊子より一部抜粋

 

 

 

 

 

『わたしの穴 美術の穴』関連企画 BOOKFAIR「1970年の穴から現在を覗く」

石井友人、榎倉冴香、地主麻衣子、高石晃、桝田倫広の5名の作家、キュレーターによる自主企画展、「わたしの穴 美術の穴」(スペース23℃2015)の展覧会冊子の発売を記念したブックフェアを開催いたします。

 

展覧会「わたしの穴 美術の穴」は、榎倉康二、高山登、藤井博、羽生真が1970年に行った「SPACE TOTSUKA ’70」での展示を参照し、穴というテーマを参加者が共有して自主企画された展覧会です。展覧会冊子『わたしの穴 美術の穴』は、展覧会の記録集であると共に、「SPACE TOTSUKA ’70」に焦点をあて、展覧会の事後に執筆された各参加者のエッセイを収録したものです。

 

1970年冬の初め。三島由紀夫が自決し、村上春樹の小説中では主人公がピンボールにのめり込み、中平卓馬が「来るべき言葉のために」を刊行、そして高山登らがスペース戸塚に穴を掘りました。この頃の1970年前後の文化的状況に表現者達により穿たれた「穴」と、2015年に美術家達によって実際に掘られた「穴」。

本書における各執筆陣の試みは、その異なる時代のふたつの「穴」を結び付けようとする、作業報告として読み取ることも出来るでしょう。

 

今回のブックフェアー「1970年の穴から現在を覗く」では、展覧会「わたしの穴 美術の穴」の一連の穴掘りの最中、或いは冊子への執筆のための事後的なリサーチや検証において参照した書籍を紹介し、その試みの軌跡を示そうとするものです。参加者らによるコメントと共に、店頭にて各書籍をご紹介いたします。

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